シリア内戦に参加している全ての国がプライドを捨てて収拾を

日本ユニセフ協会が改めてシリア内戦を考える

最近になって報道される頻度は少しずつ減ってきましたが2016年ごろはすごい勢いで毎日のように報道が繰り返されていました。
少し遡ると2011年に独裁政権を倒し民主化を進める革命、いわゆるアラブの春が起こり、チュニジアで革命がおこりました。
その後次々にアフリカや中東諸国で民主化を求めるためのデモや軍事行動が起こり、その余波がシリアでも波及してきたのが内戦の始まりです。

2013年にシリア国内にてアサド政権率いる政府軍とそれを倒そうとする反政府軍という構図で内戦が勃発しましたが、大統領側はイスラム教のシーア派で政権の主要ポストも同派で占められていて優遇していた事にその他の派が不満を募らせ、一気にアラブの春と連動して暴発した形になっていて、イスラム教内の宗派の対立とする見方もできます。

※詳しくは「日本ユニセフ協会」も参照

当初はこの2つの派閥内の抗争として内戦が勃発していましたがここに第3の勢力が台頭してきます。
その集団こそイスラム国を名乗る通称ISISで日本人ジャーナリストもこの勢力の犠牲になった事から日本でも連日ニュースになった事は記憶に新しいところです。

彼らはシリア内戦に乗じて漁夫の利を狙い、領土を拡大していこうという野望からシリアへと傭兵を雇って入国し、当初はアサド政権を倒そうとして反政府軍と合流しました。

しかし何とここで見方を裏切って反政府軍を攻撃してしまったのです。
その理由は資金はある程度もっていたものの武器がなかったため、反政府軍が保有している豊富な武器を奪うのと石油などの資金源を奪うためでした。

反政府軍はスンニ派の組織であったために同派が主力のサウジアラビアやカタールなどの大国から資金や武器を援助してもらっていた背景もあったため潤沢に武器を持っていたことからISISが近づきまんまと裏切られたわけです。

イスラム国が発展した背景

その後ISはイラクにある銀行などを襲い、多額のアメリカドルを手に入れて経済面でも余裕がでてきましたし油田も制圧したため、石油を他国より安く売る事で組織の資金源とする事に成功しました。
1日で100億円というお金が発生したと言われており、そのお金で世界中の傭兵を雇っていったというわけです。

その方法はインターネットやSNSを駆使して世界にむけて部隊を募集するというもので、その方法は非常に現代的なところが注目されます。
元々イスラム圏出身で海外に移住した若者が、その地に慣れず差別をうけてなじめなかった者たちがイスラム圏の国に戻りたいという考えを持って戻ってくるそうです。

ただし戻ったからといって仕事がないためイスラム国に兵士として戦争に参加したというわけです。
月の給料は4万円程度ですが、平均月収で見ると4倍程度の収入があり、家族手当なども支給される事からかなりの好待遇と言えます。
こうして資金や武器、そして兵士を手に入れたISが第3の勢力として規模を拡大していった事から解決を複雑にしていきます。

反政府軍の組織を支援に踏み切ったアメリカ

更に問題を深刻化させたのは大国の支援です。
アメリカは反政府軍の組織を支援に踏み切りました。

それは政権側が毒ガス兵器を使用したことが発表されたことがきっかけです。
ただし同じシーア派のイランとの関係をこじらせたくないという思いもあってか地上部隊は上陸させずに支援も限定てきです。

これに対してロシアは政権側を支援していて、大規模な空爆を開始しています。
これは冷戦時代から長い付き合いで教育や軍事訓練などで強く結びつきがあったためです。

この関係性はアメリカとイスラエルに似た関係とも言えそうです。
アラブの春で独裁政権が次々と崩壊し、ロシアにとっては中脳における足場の一つであった同国をどうしても守りたいというのが本音です。

アメリカやロシアなどがISの拠点を破壊

しかしISが台頭してきた事で政府軍、反政府軍、アメリカやロシアなどの大国は共通の敵としてISを叩く事にしました。
空爆の効果は絶大で次々にISの拠点を破壊しました。
それに呼応するようにイラク軍も自国におけるISの拠点を次々に奪取したためISの動きは急激に縮小し、元の政府軍VS反政府軍に加えてそれらを大国が支援するという構図に戻ってきたのが現在といえます。

報道によるとロシアによる空爆で子供や老人など民間人の犠牲者が多く出ているそうです。
罪のない国民が非常に深刻なダメージを受けているといえます。
またトルコとロシアの関係も急激に悪化しておりこの内戦を通じて解決すべき問題は山積されているといえます。

それにこの問題はそれ以外の国へも波及していると言えます。
同国を逃れた難民が主にヨーロッパ諸国に流れているのです。

さらにフランスではISによるパリでのテロを受けて掃討作戦を開始して空爆を積極的にやっております。
特にフランスではテロの被害国という側面もあり、難民問題でも苦悩を抱えているので温度差のあるアメリカよりも同じ目的をもったロシアに傾倒しつつある情勢といえ、事態の収拾を難しくしているのも事実です。

この内戦に参戦している全ての国に正義は我にありといった感情を抱いている事から私はそういったプライドを早く捨てて事態を収拾して欲しいと願っています。